もうひとつの元祖フラットサイドクランクです。
写真のクランクは「Little Petey」。
Pete Reynolds氏 とその息子さんのTony Reynolds氏によって作られました。
今年、Pete Reynolds氏が亡くなられました。
(ご冥福をお祈り致します)
息子さんは製作することをやめてしまっているそうです。
よって、Original Peteyはもう今あるものだけということになります。
Peteyとはいわゆる典型的なフラットサイドクランクで、
10mm程の薄いバルサ板をカットして作る、
カバーが乏しいスキニーウォーター(クリアウォーター)用の
クランクベイトです。
アクション的にもブリブリ動くものではなく、
あくまでもナチュラルなタイトウィグル系。
ボディーシェイプもやや細長いもので、ウエイトは約9g。
ロングキャスト向きではないスペックですが、
これでしか出せないアクションがあるのも事実です。
やや速目のリトリーブスピードが合っているタイプと言えます。
クリアウォーターのフィーディングバスに対しては、
スローリトリーブでは見切られてしますので、
ナチュラルなアクションのローインパクトなものを
見切られないスピードで巻くという、合理的な考えがそこにあります。
そして、キレを少しスポイルしても飛距離がもっと欲しいと思った作り手たちは、
シダー製のPeteyタイプのクランクベイトを作り始めました。
よく知るシダー製のクランクはすぐにいくつか出てきますよね(^^)
典型的なのがFlat Shad社・Sonny McFarland氏による
「Sonny B」や「Little PT」。
以前も書きましたが、「Little PT」は名前が示す通り、
「Little Petey」のコピーと公言するかのようなネーミング。
※写真はSonnyメイドのバルサモデル(Classic)
でもアメリカのアングラーもこれを周知の事実としているところが
ちょっと文化の違いというか、歴史の差を感じます。
日本ではすぐにパクリと言われてしまいますからね(^^;)
このPeteyはフラットサイドを作らんとするビルダーなら、
必ず作る(コピーする)と言われる程、ポピュラーな「型」だそうです。
そういった意味で、古くからあり、「型」とされているものをリスペクトして、
自らの考えを込めたフォロワーを作ることはパクリにあらず…
なんだと思います。
BagleyのバルサBも同様ですね。
これはもうクランクベイトの歴史の長さを物語るものですね。
Tim Earickの「Dinky Donker」もPeteyタイプ。
実際この3つはアクションがとても似ています。
「Dinky Donker」はMIDモデルもあって、
※確かLittle Peteyにもあったはず…
デザイン・性能ともに秀逸なものです。
最近アップしているような、
アメリカのカスタムクランクに関しての情報は
ネットを検索してもなかなか出てこないのですが、
何か書籍的なものはあるかというのと、それもありません。
(雨貝さんの秘密のクランクベイトは画期的!!)
情報を積極的に出すものでもないですし、
使用しているプロもそれを公にすることもありません。
絶対的にユーザーが少ないのもあると思います。
とある熱心なアメリカ人が言ってました。
「それは人から人に伝えられる」
確かに真実はそうやって伝えられて行くんでしょうね。
カスタムクランクはそういう立ち位置が一番似合っているのかもしれません(^^)
さて、今年はこれで最後の更新となります。
今年も一年お付き合いいただき、ありがとうございました。
MBブログは来年もこんな調子で続いていきます(^^)
何卒よろしくお願い致します。
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元祖フラットサイドクランク[Petey編]
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