クランクベイトのリップは大きく分けて3種類あります。
●スクエアリップ
●ラウンドリップ
●コフィンリップ
の3種です。
たまに変わった形のリップのありますが、
この3種を頭の中で整理しておけば、
そのクランクベイトを見ただけで、
何を意図して作られてものかが、
だいたいわかってきます。
週末、ちょっとリップラップを叩く機会がありそうなので、
「Yackle」のコフィンリップver.を作ってみました。
(Yackle)
(Yackle MID)
オリジナルはラウンドリップで、
カバーに接触した際に、
引っ掛かり感の少ない設計となっています。
ラウンドリップは、リップに一点集中で強く当たるのではなく、
カバーに沿うように滑らかに接触するので、
引っ掛かり感が少ないのが特徴で、
先端が丸いがゆえに、固定されているカバーに接触した場合、
ボディーが倒れ易いです。
カバーと喧嘩するのではなく、自らが翻ってすり抜けてくる感じ。
デメリットとしては、ボディーがフックをカバーする姿勢を保ちにくくなるのと、
軌道を大きく反らす傾向にあるということ。
軌道が反れるというのは、リアクション効果もあるので、
完全にデメリットではないですが、
混み入ったカバーにおいては、周辺のカバーに引っ掛かり易くなるという
デメリットが生まれます。
でもそのフレキシブルな特性は、
ドロ底などやわらかいところで活きるリップでもあります。
引っ掛かりが少ないので、
うまく安定してなめらかに動き続けてくれます。
その場合は、ある程度強いアクションである必要があります。
まとめると、ラウンドリップは、
対象物として、総じてやわらかいものに向いていると言えます。
カバーと喧嘩しないでスルっと抜けてきてくれるのが
ラウンドリップの特性です。
それに対して、今回装着したコフィンリップは、
ラウンドとスクエアの中間的特性を持ったリップです。
Yackleの場合は短めのリップではなく、長めのリップ設計なので、
リップラップなどの硬めのカバーに対しては、
コフィンリップが有効になります。
スクエアではダメなのか?
というと、先程書いた「長め」というのがキーになります。
長めのスクエアリップが装着されたクランクベイトって
見たことありますか?
事実、ある程度深く潜るために長めに設定されたリップと
スクエア形状は相性が良くありません。
なぜなら、ラウンドリップと真逆の特性を持つがゆえに、
カバーに接触した際に引っ掛かり過ぎて、
クランクベイトのアクションを止めてしまうからです。
そこでこういったタイプのクランクベイトには
コフィンリップが有効になってくるわけです。
ある程度の姿勢維持性能を持ちながら、
点でカバーに接触でき、大きく軌道をを反らさない、
絶妙な性能を得ることができます。
タフィーとかポーのRCとか、
コフィンリップである理由というのは
ちゃんとあるんですよね(^^)
スクエアリップというのは、
ショートリップでしか成立しない、
硬めの固定されたカバーに対して、
絶大な威力を発揮するタイプのリップで、
バグリーのBBシリーズに代表される、
生粋のカバークランクに採用されるリップです。
専用に設計された太めの高浮力ボディーと組合わされると、
素晴らしいカバー回避性能を発揮して、
ストレスフリーなカバークランキングが可能となります。
私の大好きな釣りです(^^)
さて、ここでひとつある要素をあえて書かずに
つらつらと偉そうに語ってまいりました。
それは何かというと、
「アクションの強さ」です。
よくリップの形状とアクションの強さは
セットで語られるのですが、
私はそこはちょっと切り離して整理しています。
なぜなら、アクションの強さは
リップ形状によって調節するべきものではないからです。
多くのクランクベイトを使ったことがある人は
とっくにご存知だと思いますが、
ラウンドリップでアクションの強いクランクベイトは
いくらでもあります。
そして、スクエアリップのクランクベイトなのに
アクションの弱いクランクベイトもいっぱいあります。
クランクベイトを作ったことがある人は、
さらに実感されていると思いますが、
リップ形状によるアクションの変化はそんなに大きくありません。
(交互に泳がせてみるとはっきりと差がわかりますが)
基本的には、
ラウンドリップをコフィンリップ、スクエアリップにするにつれ、
ウォブルが強い特性に変化していきます。
それは水を掴むリップの面積が拡大していくのと、
より支点であるラインアイから遠い位置で
水の抵抗をリップが受けるからなんです。
そんなことを考えながら、いろんなクランクベイトを見て行くと、
なぜ、この設計にしたのか…というが見えてきます。
同時に「これは…」という???なクランクも見えてきます。
使用用途にあったクランクベイトを選ぶことができるというのは、
クランカーの必須能力です。
クランカーを自称するならば、
「俺はいつでもどこでもこのクランクしか使わない!」
などと言わずに、その秘められた能力を最大限発揮させる使い方をすると、
クランキングがさらに楽しいものになりますよ(^^)
まあ、そんなことを言う人は
こんなマニアックなブログを見てないと思いますが(^^;)
途中から話が膨らんでしまいましたが、
Yackleのコフィンver.を週末にガンガン投げてきま~す!!
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コフィンリップのYackle
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