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少年期のバス釣り話

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昨日買った本。



P3017218.jpg



バス・ラプソディー。

ルアーやそれを取り巻くものの歴史は
以前はそれほど興味がなかったのですが、
ここ数年はそういったものを踏まえて…というか、
勉強して知った上で、この先この趣味とつきあっていきたいと
思うようになりました。

この本は日本のルアーフィッシングが最も激動した
70~80年のエポックメイキングなルアーを
今一度深く掘り下げてみることで構成されていて、
今のルアーフィッシングがいかにして形成されていったかを
知る上では、非常に興味深い内容となっております。

「このルアーめちゃくちゃ釣れるぜ!」とか
セールスがからむ話ではないので、
多くの人が楽しめるような内容かと思います。


そして、話は少し変わるのですが、
私が好んで拝聴している痴虫さんとこの「デジオ虫の声」でも
最近は鈴木美津男さんの若かりし頃の話とか、
塚本さんや開発さんの子どもの頃の謎だらけだったバス釣りの話とか、
「そうそう!」と同意できるような内容で、
かなり面白かったですね〜。

私もオールドもののルアーをいじり出していますし、
なんだか、最近、「昔話」ネタ多いですね(^^)


このバス・ラプソディーに出て来るルアーは
私的には「そうそう!」は少なくて、
もっと先輩のアングラーがうなずくような話です。
ちなみに私は1973年生まれ。



私が「ブラックバス」という魚を知ったのは、
小学3年か4年くらいでしょうか。
具体的には1983年くらい。
買った釣りの本に載っていたのを見たのが最初。

でも、当時はそんな聞いたこともない魚は
本や図鑑などの世界の話で、
まったく現実的ではなく、
近くの川に棲むウグイやコイ、フナをいかにして釣るかが、
目下の目標となっていました。

それから数年たった中学に入るかどうかって時に、
町内の3つ上の友達(兄貴の友達(笑))が、
「○○君がブラックバス釣ったってよ!」
と衝撃の情報を入手してきました。

その○○君とは町内の子ども達の中では、
すごく大人な雰囲気がある4つくらい上の人で、
「あの人なら釣りかねない…」と子どもながらに思ったものです。
なぜならその人はあのライギョも釣ったことがあるって聞いてたから(笑)

まあ、それくらいバスとかライギョは非現実的な魚だったんです。


で、そこからそのブラックバスが俄然現実的な魚に思えてきました。
町内の友達(=釣り仲間)が集まり、作戦会議ですよ。
コレクションとして持っていたホームセンターとかで買った、
パチモンくさいルアーを本気で使う時が来たと、鼻息は荒い(笑)

タックルはオリムピック?の青いテレスコピックのグラスロッドで、
当時はそれでなんでも釣ってました。
浮き釣りから投げ釣り、防波堤でも使ってた右腕的存在。
2mちょいでしたね。
リールは2〜3千円のスピニングで、
途中で色が変わるカラフルなラインを使ってました。
基本的に皆ほぼそれ。

移動手段はもちろんチャリ。
確かその当時は兄貴のお下がりのチャリで、
6段変速のライトがパカパカするやつに乗ってたと思います。
兄貴達は27インチのドロップハンドルがついた、
12段とか18段変速のやつで、機動力は全然違いましたね〜。


初陣の日がやってきました。
カブトムシ獲りに行くより更に早く起きて、
オニギリとか水筒をリュックに入れて、チャリでGo!です。
普段あまり行かない大きな川を超えた先に行くのは、
ちょっとドキドキです。
子どもの世界でも「なわばり」がありましたからね(笑)

さらにチャリをこぎ、山道に入ります。
すかさずギアを落として立ちこぎですよ。
チャリから降りたら負けみたいな雰囲気(笑)
当然、18段変速とかが有利で、結構な坂道を
兄貴達はチャリに乗ったまま上っていきます。

目的地はその山の上にある農業用の溜め池。
普段は川で釣りをすることが多かったので、
止水ってだけでワクワクがハンパなかったです。

透明度が高く、周囲1キロあるかないかくらいの規模の野池。
周囲の4割くらいが釣りができる感じで、赤土のショアラインは
油断すると滑って落水。
釣りが終わる頃には、だいたいみんなモモとか膝とか尻とかに
赤土を付けてましたね。


初陣の成果はというと、
当然ながら全く釣れない。
アタリすらない。
たまにショアラインを数匹のバス群れが通るのですが、
そこに目掛けてコーモランのプラグとか、
安いから買えて持ってるスプーンとかを投げても
見向きもしません。

これは、一筋縄では釣れんぞと思いながらも、
エサ釣りに移行する人はなく、
「どうしてもルアーで釣りたい欲」をエネルギーに
投げ続けました。

そこに情報源であった兄貴の友達が、
「ヒット!!」と叫ぶ声が聞こえました。
「ヒット!!」というあたりが、
この友達のミーハーさが表れているな〜と思ったものです(笑)


無事取り込んだ初めて間近で見るブラックバスは、
思いの外小さくて、18cmでした。
なんでそこまでサイズを覚えているかというと、
その友達はそれを持って帰って、
早速魚拓をとって部屋に飾っていたからです。

それを遊びに行く度に見るわけですよ。
もちろん超うらやましいわけです(^^)


結局その日はもちろん、その後もいっこうに釣れずに
その年は全員合わせてもそれ1匹だけ。
束になってかかっても一年に1匹(18cm)。

これを幻の魚と言わずしてなんと言う。


次の年、雪が溶けて日差しが暖かく感じられるようになった頃、
釣り欲全開のちびっこアングラー達は、
またあの野池を目指しました。

私は秘密兵器を仕入れていました。

父親の友人にルアーアングラーが居て、
主に奥只見の銀山湖などで釣りをしている人で、
遊びに行くとタックルボックスにしこたまルアーが
入っていました。
そこに兄貴は居なかったと思います。

私はそこでいくつかのルアーをゲットしました。
それでブラックバスが釣れるという根拠な全くないのだけれど、
この凄そうなおっちゃんが持っていたルアーだから
いつも見ているパチモンくさいのとは
絶対違うはずだ…と(笑)

「なんだか今日は釣れる気がする」
と思いながらチャリをこぎ、早速いくつかの秘密兵器を試します。
でもそんなに甘くはなく、釣れない時間が過ぎて行きます。
他の誰も釣れてません。

そこで、めちゃくちゃ少ない情報の中で、
もっとも信頼できる情報に頼ることにしました。
仲間の中で唯一釣れた1匹から得られた情報です。
それは

「バスはスピナーは食う」

という、絶対間違いない事実。
そう、その魚拓にとられた18cmのバスは
ブレットンという有名なスピナーで釣れたものでした。


それならば、このスピナーも食うはず。
しかもこれには「毛」が付いているし。

手にしたのは、例のおっちゃんからもらった
ちょっとくたびれたスピナー。
その名は「ロースターテール」。


こちらです。










P3017221.jpg

※これは後になって買ったもので、現物はお決まりのロスト!!




水面直下をキラキラと泳ぐその姿は、
ブルブルと泳ぐクランクベイトや生き物っぽく見えないスプーンより
遥かに生き物っぽく感じました。
そもそもクランクベイトなんか、デブで、めちゃくちゃ派手に動くし、
バスなんか逃げるでしょ!っていう考えで、実際当時は釣れませんでした。

よくバスがたむろしているのを目撃する
斜めの護岸がからむ角に狙いを定め、
ロースターテールをキャストします。
カリカリと音を出しながらリーリングすると、
今までよく見えていた黄色のロースターテールが消えました。

その瞬間、生き物の躍動を感じます。

「釣れたーーー!!!!!」


あっけなく釣れたバスは20cmほどのもので、
あの独特の臭いを嗅ぎながら、
まじまじと観察。
その後、持ってきたビニール袋に水を入れて、池に漬けておきました。
もちろん、石を乗っけて、逃げないようにして。
目的はいわずもがな、「魚拓」です(笑)


帰ると早速魚拓をとるのですが、
当時は魚拓はすごく普通のことで、
兄貴の部屋には尺超えのイワナの魚拓があったし、
皆、何かしらの魚拓を持ってました。

ついに、自分も誇らしい魚をゲットしたと
意気揚々と飾りましたよ。
全長 20cm と書かれた魚拓(笑)
今となってはある意味貴重かも。
思春期を迎えたころにはもう飾ってなくて、
捨てちゃったのかもしれません。
う〜ん、残念。


それからは皆スピナーですよ。
そこから数回の釣行で、
皆、成果を上げ、「バスはスピナーが好き」と
スピナーは仲間内では絶大な信頼を置くルアーになりました。

しかも「毛」が付いている方が釣れると。
釣り方は、自分ならではの方法があって、
まずライズを狙うという、オーソドックスなものがひとつ。
もうひとつが途中までシークレットにしてたんですが、
「錦鯉」を狙うというものでした。

私の田舎である新潟県は錦鯉の養殖が盛んで、
選別ではじかれ、捨てられた錦鯉があちこちの水域で見られました。
その野池でもそんな錦鯉が育って、大きくなり、
目立つ色っていうのもあって、居る場所がすぐにわかるんです。

バスはなぜかその錦鯉達と行動を共にしていることに
気付いた私は、そこを目掛けてキャストするようになりました。
そして、確かな成果を上げました。

 バスは簡単に釣れる。
 もうこのロースターテールがあれば、バスなんて簡単だ。

そんな、何も知らない生意気な子どもの出来上がりです(笑)


もう魚拓なんてとらないで、
釣ったら、すぐリリースするようになった頃。
兄貴の友達がすごいものを手に現れました。

それがこちら。

















P3017212.jpg



ダイワのベイトキャスティングリールです。
マグサーボ。
なぜ、今私が持っているのかは不明です。
もらったのかな〜。かすかな記憶。



これを扱うのは大人でも難しいと噂され、
しかも高価だったので、
それをまさか入手してしまうとは!!
という感じで、衝撃でしたが、
彼はロッドを持っていませんでした。

そこで、その少し前に私が買った
スピンキャスト用のガングリップのロッドを
貸して上げました。
ちなみに私が新調したスピンキャストタックルは、
もちろん安物で、リールはホームセンターで売ってたもので、
ロッドは4千円くらいのピストル型の一番安く売っているやつでした。

そのスピンキャストですが、
巻き取りがスムーズでなく、巻き取りパワーも低いもので、
明らかに今まで使っていたスピニングタックルの方が
使い易かったので、お蔵入りしてたものでした。

そのロッドに例のマグサーボを取付けて、
いざ試投げ。







「全然飛ばね〜」






全員一致した見解でした。
特に主力のスピナーはとてもじゃないけど無理。
でもその友達はどうしても使いたいわけですよ。
カッコいいですからね。

そこで、とある行動に出ます。
彼はスピナーを諦め、
あの高級ルアーである「バスハンター」で釣るというのです。
パールホワイトベースの背中が黄緑っぽい感じのやつで、
同じようなカラーがシリーズで出てました。

彼はそれで果敢にキャストしています。
たまにバックラッシュを直しながら、
諦めずにずっとそれをキャストしています。

他の人はスピナーでポツポツ釣って、
どうせ釣れねーよと
横目でそれを眺めていました。

そんな時、彼は大きくのけぞりました。
同時に水面では今まで見た事がない…というか
見た事あったけど、釣ったことがないサイズの
デカバスがデカイ口をあけてエラ洗いをしています。

うお〜!!
なんだあれ〜!!
と全員彼に駆け寄りましたが、
何度かのエラ洗いの後、バスハンターだけが
勢い良く飛んできました。

もうみんなドキドキですよ。


「プラグって釣れるんだ〜」


と思った瞬間。



なんか長くなってきましたね…この話(^^;)


その後、「ワームって釣れるんだ〜」

と思う瞬間も訪れます(笑)




まあ、そんな話は皆さんもあると思いますが、
いかがでしょうか?
私と同じ世代か、それより前の世代の方は、
少なからずそうした「少年期のバス釣り話」が
あると思われます。


当時の身近なルアーは、
ダイワのバルサミノー、バルサマック、バスハンター、コネリー
各種スピナー、スプーン、
コーモランの名前も思い出せない各種ルアー等々。

あの頃はそんなルアーでも楽しい時間を過ごせましたね。
夏休みなんか釣りばっかしてました。
夏の釣りが好きな理由は間違いなく
この頃の「夏休みの思い出」が関係しています(^^)




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